隠居とはち。⑬~新進女優(最終話)
琵居刑事「男子大学生にまた聞き取りか?」
はち「いえ、妹の方です。
付き合ってください。」
隠居宅。
隠居「ご苦労様だったな。
もう、酒飲めるだろ。」
はち「ありがとうございます。
いただきます。」
隠居「防犯カメラに映ってたのは男子大学生の妹の方か・・・」
はち「はい、制服のスカートのチェックが違いました。
上の階に住んでいる女子高生とは・・・」
はち「結局、事故だったんです。
被害者は当日、来る予定だった男子大学生の為、アサリの味噌汁を作ろうとしていたのです。
それで、アサリの砂抜きをしていたところ妹が訪ねて来て・・・」
隠居「兄との関係をはっきりさせたくて話に来たのか。
近頃、被害者の女優は男性俳優や大物プロデューサーとの派手な交友関係を報じられていたからな。」
はち「そうです。
被害者は兄の事を大切に思っているとアサリの入ったガラスのボールをもって見せたそうです。
妹はそれを取り上げようとしてボールから水がこぼれ、被害者が足を滑らせた。」
隠居「運悪く、テーブルに頭を打ち付けた。
そしてボールは床に落ちた。」
はち「妹は驚いてそのまま立ち去ったそうです。」
隠居「その後、兄が訪ねてくる。
恋人を助けなかったのか。」
はち「もう息は無いと思ったらしいです。」
隠居「現場にボールやアサリはなっかたんだろ。」
はち「アサリは妹が持ち帰りました。
ボールは兄が片付けた。
兄は部屋に入って倒れている恋人の近くにボールが落ちているのが見えた。
カラであったけれど磯のにおいがした。
アサリの砂抜きをしていたと思った。
そしてアサリが無くなっていることから妹が来たことを直感した。」
隠居「それで片付けたという訳か。」
はち「男子大学生と被害者は中学の頃から付き合っていて、男子大学生によくアサリの味噌汁付きのお弁当を被害者は作って上げていたそうです。」
隠居「アサリというと男子学生を連想させてしまうと兄妹は思ったわけだ。」
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